「人間関係でいつも疲れる」「周りには厄介な人ばっかり!」
「イライラやクヨクヨ、悩んでばかりの自分が嫌!」
繊細な方には多そうな、こんな悩み。メンタルこじらせがちな私は、大いに当てはまります!
なぜだか人間関係で心のHPを削られることが多く、親しい友達とのやりとりにさえ気を遣って疲れたり、人と自分を比べて勝手に落ち込んだり…。
そしてその後で「自分ってなんでこうなんだろ」と気に病むのもしょっちゅうです。
こうした「こじれ」のもとを理解して、人間関係やメンタルをシンプルかつ楽にする方法を紹介した本「こじらせない練習。」を紹介します!
この本で学べること:
- 日々傷つきやすい、ストレスが多い人向け
- モヤモヤ、クヨクヨ、イライラの元凶が分かる
- 「自分中心」「今を感じること」の重要性が分かる
- 感情をこじらせないコツがわかる
ありがちなこじらせシチュエーションをいくつも例に出して書いてあるので、こじらせてる状況とはどういうものか?どう回避するのか?具体的に理解できます。
なんだかイヤな気持ちを抱えがちだな…と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
「こじらせない練習。」の内容と要点まとめ
「こじらせない練習。」は<こじらせた感じ方や考え方を自覚し、シンプルで楽な生き方にシフトチェンジする方法>をまとめた本です。
本の内容を要約すると…
■「こじらせてる」とはどういうこと?「考えすぎている」状態である。
■こじらせないコツは「自分中心」と「今を感じる」
■2つのコツを実践するための練習法
こんな感じの内容です。各項目について、要点をまとめて解説します!
「こじらせてる」=「考えすぎている」
この本の中で、こじらせる原因は思考しすぎることだとされています。
思考①「しなければならない」の思い込み
思考しすぎた結果として、よく陥る状態の一つは「〜しなければならない」という思い込みに縛られることです。
たとえば…
「誰にでも親切にしなければならない」
「社会人なら働いて稼がなければならない」
「夫婦は心が通じ合っていなければならない」
「家族は一緒にいなくてはならない」
「不幸な人を差し置いて幸せになってはいけない」
などなど、「〜ねばならない」「〜して当然」という考え方は思い込みです。
これは自分がどうしたいかではなく、他人の価値観や世間体を加味して導き出された理想像。
自分の心を知らずのうちに縛って、悩みや苦しさのもとになります。
思考②過去の後悔や未来の不安に囚われてばかりいる
思考しすぎた結果として陥る状態の二つ目は、今でなく過去や未来を憂うこと。
「あの時ああしていれば、こんな現在にならなかったのに」
「将来こうなるんじゃないかと考えると不安でたまらない」
こんな風に過去や未来に囚われてばかりいると、「今」自分がどうしたいのか、何を感じているのかを見失ってしまいます。
「今」感じていることを見失った人は、思考した結果導き出された「感情もどき」に踊らされます。本当に感じている気持ちと「感情もどき」は相反する気持ちを同時にもたらすことがあるのです。
例)
「嫌われたくないから、断りたくない」
「でもあの人と一緒にランチはしたくない」
そうなると、本能では嫌なことを無理やりするような場面が増え、人間関係が複雑に拗れていきます。
思考③自分より他者にフォーカスしている
思考しすぎた結果陥る三つ目の状態は、他者の価値観や行動を判断基準にすえること。
人混みで足を踏まれたら、
「痛い!怪我をしたかな?血は出てないか」と自分にフォーカスするのが自分中心。
「痛い!どこの誰が踏んだんだ」となるのが他者中心。
また、SNSで投稿する写真を選ぶ時、
自分が「渾身の一枚!」と思ったものを選ぶのが自分中心。反対に、人からのいいねがたくさんつきそうなものを選ぶのが他者中心です。
往々にして、人の基準で選んだ行動には満足度が伴わず、後悔だったり、「あの人の言うことを聞いたから失敗した」などの不満も付き纏います。
また何か問題が起きた時、他者中心で考えていると人を責める方向に向かいます。
そのため人間関係のこじれや、感情のこじれに繋がりやすいのです。
こじらせないために必要な2つのコツ
今を感じる
なんとなくイヤ、なんとなくこうしたい、などの直感は、紛れもない自分の真意。
信じて優先してあげることが大切です。
今まで長いこと思考し続け、感じたことを捻じ曲げながら生きてきた人は、「今、感じていること」が自分でも分からないことがあります。
しかし、自分の「今、感じたこと」をキャッチする力は、小さな訓練を重ねて取り戻すことができます。
自分中心で生きる
自分が心から望んでいることだけをする。
自分が人にしてあげること、人が自分ですべきことの境界をはっきりさせる。
そういった行動を積み重ねることで、「〜してやったのに!」という恩着せがましい不満を抱かなくなります。
また他人の基準で自分を批評して責めたりすることがなくなり、「〜できない自分は駄目人間だ」などと自責することがなくなります。
今に生きるための練習法
意志を持って断る
「〜してやったのに!」「何で私がこんなこと」などのこじれた感情を防ぐためにも、やりたくないことははっきり断るのがベストです。でも、いきなりは難しいのも事実。
そこで「できる範囲だけ引き受ける」ことで段階をふみ、断る練習をしましょう。
「取り掛かるの、10分後でもいいかな」
「全部は難しいけど、半分ならやれるよ」
「今すぐは話せないけど、1時間後に声をかけますから待ってて」
などなど、完全なイエスマンにならないようワンクッション挟むことから始めてみましょう。
自分の気持ちを率直に伝えてもいいと知る
「本当はイヤだな」という本音を言えないのは、
・人の話は笑顔で聞かないと嫌われる
・親の言うことを聞かないのは悪いこと
などの思い込みのせいです。
特に親子関係においては、同情支配などの支配関係に縛られている人も少なくありません。
しかし本来なら、自分には
・自分の時間や生活空間を守る権利がある
・聞きたくない話は聞かない、したくないことはしない権利がある
というのが事実です。
自分の思いを率直に言い、自分の心を守る権利があることを覚えておきましょう。
トラブルメーカーとは距離を置く
こんなこじれた人とは、仲良くしようと思って接しても利用されたり、理不尽に傷つけられたりします。
自分の心を守るため、こんな人とは境界線を引き距離を保ちましょう。
- 被害意識の強すぎる人
- 「マッチポンプ型」で自分の有能さを必要以上に印象付けたがる人(人を利用する人)
今、目の前にある欲求を満たす、向き合う
今自分の目の前で起きていることに向き合い、率直に動いてみることで「今を感じる」「自分中心に動く」ことができるようになります。
そうして自分を満たせるようになると、判断力や決断力も自然とついてきます。
- スーパーに並ぶ食べ物を見て、今食べたいものを買う
- 話したい人と、話したい時に話す
ネガティブでもポジティブでも自分が「今、感じること」を受け止め、その都度解消したり満たしていけば、感情をこじらせることが減るそうです。
今の欲求や気持ちを満たすと幸せになります。そうすると、人の気持ちを感じ取ること、自分の気持ちを尊重することが自然とできるようになります。
「こじらせない練習。」はこんな人におすすめ
- 上手くいかない人間関係の原因や、ネガティブな感情の手放し方を知りたい人
- こじらせ感情について、わかりやすい解説が読みたい人
こんな方には参考になる本です。ぜひ読んでみてください!
「タイトル」はこんな人にはおすすめではない!
- こじらせ感情について、学術的・論理的なカタい解説を求めている人
- スピリチュアルっぽさが苦手な人
どことなくですが「感情とはそういうものなのです」といった、ちょっとスピリチュアルっぽいニュアンスがあるな~と感じました(内容そのものは心理学に基づいていると思います。あくまで伝え方の印象です)。
より論理的でカタい文章の方が納得できるという人は、苦手な可能性もあるかなと思いました。
「こじらせない練習」を読んでみた感想|身に覚えのある例がたくさん
各章で例示される感情やシチュエーションは身に覚えのあるものばかりでした。
特にマイナスな方向に物事を勘ぐる様子、人と自分を比べて落ち込む部分はまさに自分!
自分そっくりの具体例を目の前に見せられることで、客観的に自分のクセを見直すことができました。
「そっか、私は優しい風に振る舞ったつもりで、実は人を責めてたんだ…」「自分を尊重してなさすぎたんだ」など気付かされることが多かったです。
まとめ|自分のこじらせぶりがよくわかる!
「こじらせない練習。」はこじらせ感情の生まれるメカニズム、そして解消法について、よくある具体例を挙げて書かれています。
「何に触れてもイライラ、クヨクヨ、モヤモヤした気持ちになる。なんでなんだろう?」とお悩みの方には参考になる本です。
自分って何かこじらせてるな…と自覚を持って読んだ私でさえ、「あ、思ったよりこじらせが酷いのかもしれない!」と気づきました。
こじらせの根は思ったより根深いということ。そして、こじらせの仕組みを知るだけでも克服の一歩が踏み出せることが、この本を通して分かりました。
気になった方はぜひ「こじらせない練習。」を読んで、マイナスな感情を手放すチャレンジをしてみてください!