書く・表現する

【溜め込むタイプの人へ】不満を伝えられない心理と対策

【溜め込むタイプの人へ】

不満があってもなかなか人に伝えられない。こんな風に悩んでいる人は多いです。

何日も何年も溜め込み、ある日一気に爆発。

またいつものパターンか!こんなのもう繰り返したくない!いい加減変わるぞ!

と思いつつ、またついつい溜め込んじゃうもので…。

なかでも他人を優先しがちな傾向にあるHSPやアダルトチルドレンはこうした悩みを抱えやすいと言われます。筆者もそうです。

この記事では、溜め込みの原因となる心理と、具体的な対策方法を紹介します。

「自分の気持ちを尊重し、きちんと不満を伝えよう」というのがメインの内容です。

伝えるのが怖い方や、不満の内容がうまくまとまらない方の対策も書いてありますので、よかったらご覧ください。

こんな方に読んでほしい

  • 溜め込み癖をやめたい
  • 自分より人を優先しがち
  • 意見や気持ちを言うのが苦手
  • HSPやアダルトチルドレンである

この記事でわかること

  • 不満を溜め込んでしまう理由
  • なるべく穏便に不満を伝える方法
  • 伝えなくても、心のモヤモヤを軽減させる方法

溜め込んでしまう理由

溜め込み型の人が気持ちを吐き出せない理由にはこんなものが考えられます。

自分が耐えればいいと思っている

溜め込む人は「こんなことで不満を抱く自分がいけないのでは?」「自分の心が狭いせいだから、変わらなきゃ」「自分が我慢すれば済む」と考える人も多いようです。

こんなことで不満を言ったら大袈裟かな?嫌われるかな?というのもありますよね。

しかし、そうやって耐えすぎるとよくない理由が2つあります。

①チリも積もれば山となる!

小さなことだから我慢して流そう、と思っても、はっきり「嫌だ」と言わなければその出来事は何度も何度も積み重なります。

その一瞬だけなら耐えられることでも、何回も繰り返すと大きなストレスになって「またアレが来るかも」と予期不安まで起こります。

度重なる前に自分の気持ちを伝えて、相手に配慮をもらえばダメージを受けずに済むかもしれません。

②自分を尊重する=ワガママ、ではない!

たとえばエビアレルギーの人が、エビの入った料理は食べられません!と主張するのって「心が狭い」とか「ワガママ」ではないです。死活問題ですから。

他の人ならスルーできても、自分はエビをスルーしちゃいけない。これってアレルギー以外でも、何に対しても起こりうることです。

言われてグサッときちゃう言葉も、許せない態度も、人それぞれ違います。

自分にとって何が「エビ」なのかは、本人じゃないと分からない。だから自分がしっかり「無理です!」って言うしかないのです。

(筆者はエビ大好きですけど…あくまで例えとして。笑)

人によっては些細なことでも、自分にとって大事なら声を上げましょう。

言わないってことは、食べたらショック症状になるって分かってるエビを黙って食べ続けることです。ちゃんと言った方がいいでしょ。

溜め込むタイプの人には、どうか自分の不快感センサーをないがしろにしないでほしいです。あなたが嫌なら嫌でいいし、不満でいいです。人類は皆それぞれにワガママですから、素直に言って大丈夫。

自分のことは、自分しか守れないのです。

不満を伝える=格好悪い、みっともないと思っている

不満を言う人、と言われて私が真っ先にイメージするのは「クレーマー」です。クレーマーってどんなイメージでしょうか。

  • 激しい言いがかりでお店をけなす人
  • わがままを言ってる困った客
  • イチャモンつけるしかすることのない暇人

実際どうかは別として、想像図のクレーマーってだいたいこんなだと思います。

「ああはなりたくないなー」って思いますよね。

不満が言えない人の中には、不平不満を言う人間が嫌いだから自分はそうなるまい、と考えているケースもあります。実は私もそうでした。(今まで人の我儘に振り回されて疲れてる人もいるかもですね…)

でもだからといって、自分にとって見過ごせない不満まで押し込めてたらいつかキャパオーバーで爆発します。我慢しきれなくなったとき、感情的に相手にぶつけてしまったらそれこそクレーマーみたいになってしまいますよ。

限界が来るまえに冷静に不満を伝えれば、相手を不用意に振り回したり、傷つけずに済みます。

不満を抱くのも、改善を要求するのも当然の権利です。伝え方を工夫すればOKなので、しっかり気持ちを整理してから伝えましょう。

※整理の方法は後述します!

相手に嫌われる/ウザがられるのが怖い

不満を言ったら相手との関係が悪くなるのでは、と思って言えない人もいると思います。

過去に喧嘩になったり、言いたいことを言ったせいで辛い別れをした経験などがあるかもしれません。

(見捨てられる不安が強すぎて本音を抑え込んでいる人は、アダルトチルドレンの可能性もあります)

伝えるのが怖い、でも耐えきれないところまで来ているという方には、やはり現状打破のため話し合いをおすすめします。

「絶対大丈夫」と保証はできませんが、伝え方を配慮することである程度のトラブルは防げると思います。

※※DVやその他、深刻な問題につながりそうな場合はこの限りではありません!※※

また、あなたが真摯に気持ちを伝えても理解を示してくれないとしたら、その相手はこの先もそういう態度を続ける可能性が高いです。その場合は繰り返し伝えて理解を促すか、もしくは関係に見切りをつけるキッカケにするのもアリです。

というわけで、後述の方法を参考に伝えたいことを整理→話し合いに臨むことも視野に入れてみてください。

何故か分からないけど不満が言えない

これに当てはまる人は、気持ちを言葉にするのが苦手、または自分の気持ちを外に出すことに強い抵抗があるのかもしれません。

言えなくても困らないようなら無理強いはしたくないのですが、どうしても分かってほしい相手がいるとき、辛くてもう我慢できないときは言葉にするといいと思います。

言葉にして表現すると、人からの理解がもらえるだけでなく、自分で自分の気持ちがよく理解できます。

モヤモヤ渦巻いてた不快感に、言葉という形が与えられるだけで少し楽になることもあります。

必ずしも人に伝えなくてもいいので、ひとまずは気持ちを整理して紙に書いてみる。

そうすると前に進める可能性が高いです。

溜め込まない方法

不満が小さいうちに伝える

溜め込まない方法その1は、不満を感じたときにすぐ伝えること。

「それができないから困ってるんだろーが!!」という声が聞こえてきそうですが、、すみません、どうか石を投げずに一旦聞いてください。笑

気持ちは言わずに閉じ込めておくと、必要以上に肥大化します。

その上、後々になって不満を言われても相手にとっては「えっ!いつのこと?自分そんなことしたっけ…」と、ピンと来ない場合が多いです。

ピンと来てない相手を見ると「私はあんなに耐えてきたのに、全く心当たりないわけ!?この鈍感野郎!」と、さらに不満が募ったりします。悪循環。

だから、

「あ、今のそれやだな」

「その言い方は傷つくよ」

など、一言で済むタイミングで小出しにするのが、やっぱりベストではあるのです。

すぐには無理でも、夫婦など距離が近い相手にはこの対応を目指せると良いかと。

……とはいえ、無理なパターンも多いのは承知です。

次行きましょう!

気持ちを整理してから伝える

落ち葉とスケッチブック

ある程度溜め込んでしまったり、時間を置いたときは整理してから伝えてみましょう。

【整理の仕方】

以下の項目を紙に書き出しておくと、自分でも要点がよくわかります。

言いたいことを見失わずに話せる確率が上がるのでおすすめです。

この方法だと書くことでいったん感情を吐き出せるので、話し合い本番で怒りや悲しみを相手にぶつけすぎずに済みます。

相手を怯ませてしまったり、喧嘩腰にさせるとうまくいきにくいので、冷静を心がけましょう。

とはいえ、自分にとって大切な話なので心が荒ぶるのも当然です。

難しいバランスではありますが”自分の気持ちを大事にするための話し合い”だという大前提は忘れずにいきましょう。

感情だけで押し切らないこと、相手に譲りすぎないことがポイントです。

【書き出す項目】

  • 相手のどんな行動に不満があるか

例)話しかけてもスマホから目を離してくれない

  • なぜ嫌なのか

例)目も合わせないとか失礼でムカっとする。

私の話を聞く気がないのかと思って悲しい。返事をしてくれていても、片手間に聞かれている気がして不快だ。

  • できれば、嫌な気持ちになる背景を掘り下げる

例)昔、自分を大事にしてくれなかった人が同じような態度だったから、その思い出も蘇ってしまい余計にイヤ。

※これは無理にやらなくてもOKですが、あると説得力が増すので自分の主張が通りやすくなる可能性も。

  • 今後はどうしてほしいのか(素直な希望)

例)私が話しかけた時は、一旦スマホを置いてほしい。

  • 今後はどうしてほしいか(相手に譲歩した希望)

例)すぐスマホを置かなくても、「今はちょっと待って」と一言断って、スマホを終えてから話を聞いてほしい。

  • 相手に聞きたいこと

例)できれば、スマホから目を離さない理由を知りたい。大事なことをしてるならこっちも配慮したいし、趣味の邪魔したいわけでもないから。

一日の中で、話を聞いてもらえるタイミングっていつ?その時に話しかけるようにしようか。

書き出したこと全部を伝えなくてもいいですが、

何がどう不満なのか、これからどうしたいのか、どこまでなら譲歩できるのか、が分かっていれば相手との落とし所を見つけやすいです。

話す順はケースバイケースですが、不満から言うのがどうしても躊躇われるときは「聞きたいこと」から言ってもよいです。

思いもしない考えや事実を聞かされ、自分の勘違いが発覚することもあります。

伝えなくても、気持ちを吐き出してみる

一つ前の章で紹介したように紙に書くでも、第三者に話すでもいいです。

溜まった負の感情や言えない意見は、心や頭から外に出すだけで断然楽になります。

おすすめの吐き出し方は以下の通り。

信頼できる人に話す(なるべく、否定しない人)

誰かに聞いてほしい!という人向け。LINEで相談とかでもいいかもしれません。

聞く態度やアドバイスでかえって傷つくケースもあるので、人選は慎重に。

ノートなどの紙媒体に書く

手を動かして書くと、エネルギーが発散されて”気が済む”感じがするのでGOODです。個人的にはこれがイチオシ。日記に書くでも、その辺の広告裏にガリガリ書き殴るでもいいと思います。

日記アプリやツイッターに書く

スマホを使えば、いつでもどこでも吐き出せるので便利です。記録にも残るので、後で振り返りやすいのもいいところ。管理も楽。相手への過激な悪口や愚痴は見つからないように気をつけてね…!笑

相手に見切りをつける

分かってもらうのを諦める、ということです。

諦めると書くと後ろ向きに見えますが、過剰な期待をしないというのは時に適切な対処です。

人間は一人一人感性が違います。生まれてからここまでの経験も、まるで違います。だから相手の気持ちとか、考えとか、ポリシーとか、思ってる以上に全然わからないのです。

どんなに長い付き合いでも、分かり合えないのが普通。ダメで元々。気が合うとか共感できるとかは、むしろ奇跡。それを覚えておくとよいです。

だからこそ人は相手との距離を埋めるために言葉で説明したり、感情に訴えたりするわけですが、手を尽くしてなお響かないようなら諦めも一つの手。

キーワードは「ま、いっか」です。

「ま、いっか」「そういうこともあるよね」で片付けられるようなら、それでもOK。

※無理して許容しろという話ではないですよ!

あなたが伝えたいこと、その一点において理解を諦めても一緒にいられる相手かどうかをぜひ考えてみてください。

【余談】私が夫を諦めた話

うちの夫は夕食の直前に、何故かお皿洗いを始める癖があります。

出来立てを食べてほしくて食卓に並べる私としては「ご飯できたよ〜」と同時に流しへ向かう夫にムカついていました。「ごはん冷めるんだけど!!コイツなんのつもりだよ!」と。笑

ある日イライラを抑えつつ、なんですぐ食べないのか聞いてみました。

曰く「ごはん後にまた食器が増えるから、一旦キレイにしておきたい」。

なんだそういう理由があったのか…とちょっとびっくり。

ご飯が冷める!と訴えましたが、未だに奴は皿洗いを優先してちょっと冷めたご飯を食べてます。本人的には美味しいし満足なのだそうです。

「なんか納得はいかないけど…本人がいいなら、ま、いっか」となり、私の気持ちは落ち着いたのでした。今では夫のリズムに慣れて、遅れて食卓に来ても腹が立ちません。

ちょっとしたことではありますが、これは前向きな諦めかな〜と思った体験談でした。

期限を決めて試す

「気持ちを伝える」「諦める」を、期限を決めて試す方法もあります。

例えば…

  • 10回同じことを伝えて、相手が何も変わらないなら距離を置くことにする。何か変化があるなら、そばにいる。
  • ○ヶ月一緒にいる中で「ま、いっか」と割り切れるようになるかどうか、自分の気持ちをモニタリング

などなど。

試している間は、イラッとしたり傷つきながらも相手や自分を観察することになるので、嫌な気持ちを募らせるだけで過ごすより建設的です。

基準を超えたら次の行動に進む、と決めてあるので行動しやすく、吹っ切りやすいかもしれません。時間を浪費したくない人にはおすすめ。

でも、自分の気持ちの変化によっては猶予を伸ばすことなども、視野に入れておいてください。

まとめ|溜め込まないって勇気がいること

ハートを切り抜いたオレンジ

不満を口にすることって、ハードルが高いですよね。

自分の負の感情に向き合うだけでも、なかなかカロリー持ってかれます。相手の反応も怖いです。どうしてもできない、という人がいるのも、ものすごくよく分かります。

でもせめて自分だけは自分の本音を知っていてほしいし、味方でいてほしい。だってその方が人間関係がうまくいくから!もう15年近く溜め込みタイプとして生きてきた私が言いたいことはこれに尽きます。

どうか自分を大切にするのが人生の一大テーマだと考えて、自分の不満を少しでも軽くしてあげましょう。モヤモヤと向き合うだけでもいいし、できそうな人は、ちょっとがんばって不満を伝えてみてください。

そしてもしうまくいかなかったとしても、途中までしかできなかったとしても、トライした自分は前と少し変わっているということを知っていてください。

心の深いところの変化は少しずつです。今までの自分を変えたいときには、ぜひ長い目で取り組んでみてくださいね。